最近、あるダンス雑誌編集者のツイッターの投稿が話題となっています。
ダンス専門誌「月刊ダンスビュウ」の編集者吉川有機さん(49)が
2018年12月8日にツイッターにつぶやいたのは、自らが訪れた、
ダンスホールで踊っていた際の驚きの出来事でした。
それは、同行の男性とペアで踊っていたところ、近くにいたダンス教師に
「男性同士で踊るのはご遠慮を」と止められたということです。
日本ダンススポーツ連盟(東京都)によると、社交ダンスは男女で踊るのが原則で、
協議会では初心者に限り同性のペアが許されているとのことです。
競技会以外では男性ペアを禁じる明確な規定はないとのことですが、
吉川有機さんは、
「この世界では(男性ペア禁止は)“一般常識”のようだ」と語り、
「『男性同士で踊るくらいなら、ペアになっていない女性と踊って』ということかも」と、
愛好家に女性が多い背景を考慮した上で今回の出来事を振り返っていました。
しかし、世界では同性ペアのダンスが認められつつあり、
凄腕のダンサーたちが次々に登場しているようです。
この記事では、社交ダンスの男性ペアについての問題と、
男性ペアのすごいダンス動画、世間の反応などをまとめています。
社交ダンス 男性ペアはタブー!?実は超絶カッコ良かった!ツイッターの内容
上記の通り、社交ダンス界では基本的に男女のペアで踊ることが
当たり前とされてきていました。
ですが、この状況に問題を投げかけたのが、
ダンス専門誌、ダンスビュウ編集者の吉川有機さん。
以下、つぶやきの内容です。
ちょっと甘く考えていたこと
老舗のダンスホールにて男性同士でクイックステップを踊ったところ、ホールの先生に止められて注意されました。注意はあくまで低姿勢でしたしこちらも素直に従いましたが、自分でも意外なほどショックでした。
続きます— 吉川有機(ダンスビュウ編集者) (@PairDanceLover) December 8, 2018
実はダンスホールでは男同士踊ったらダメらしい、というのは聞いたことがあったし、当日もその話をしていたところでした。でも隅っこの方でちょこっとラテンを踊ったりしている分には大丈夫だったので、ついつい「あ、クイックステップも踊ってみる?」とやってみたところ止められちゃったわけです。②
— 吉川有機(ダンスビュウ編集者) (@PairDanceLover) December 8, 2018
自分でもどこに着地するかわからず書いていますが、…無邪気に楽しく踊っているところを中断させられるというのは嫌なものですね。しかしルールでしたら仕方ありません。ルールは大書きしておけとか言うつもりもありません。
しかしルールの理由は知りたいと思いますので今度偉い人に聞いてみます。③— 吉川有機(ダンスビュウ編集者) (@PairDanceLover) December 8, 2018
社交ダンスの世界は伝統的に女同士はOKでも男同士はNGというのが常識になっています。試合しかり、格式高めのパーティでもそうなんでしょう。そもそも女性の方が多い(余る)のが当たり前の世界。男同士で踊るくらいなら余っている女性と踊ってください、という程度のことなのかも…。④
— 吉川有機(ダンスビュウ編集者) (@PairDanceLover) December 8, 2018
やべーな、書いているそばからイイネが付く。相変わらず着地地点は不明(^^)
…とにかく感じたのは感覚が古いということ。私も結構いい年ですが、同世代でもLGBTなどに対してあっけらかんとした嫌悪感を表す人はいますね。別にどう思おうが自由なんですが、表立って言うのはリテラシーが足りない。⑤— 吉川有機(ダンスビュウ編集者) (@PairDanceLover) December 8, 2018
要するにアップデートされてない、時代に対応できてない、現代社会を生きる大人として常識が足りない、頭が悪い、向上心もないということです。
社交ダンスの世界ではジェンダーに対して伝統的な対応をとるということはあっても良いと思いますが、それは一周回ってそこに至っていなければならない。⑥— 吉川有機(ダンスビュウ編集者) (@PairDanceLover) December 8, 2018
常々そう思うのですが、今はまだまだ全然甘いし、切実な問題として捉えていないんだと思います。パンドラの箱的なこともありますし(女性ダンサーの立場)。でもそれこそオリンピック正式種目を目指そうとか、全世代に広く普及していこうというなら考えておかなければならない問題です。絶対に。⑦
— 吉川有機(ダンスビュウ編集者) (@PairDanceLover) December 8, 2018
と言っている私ですら、実際にこういう体験をしてみて初めて気付くこの気持ち…。本当の意味での当事者の皆さんはずっとこんな感じかと思うと本当に心が痛むし残念な気持ちです。たまたま今回、鶯谷の方のダンスホールを批判するような形になりましたが、個別の事例じゃないよなと思いました。⑧
— 吉川有機(ダンスビュウ編集者) (@PairDanceLover) December 8, 2018
と言っている私ですら、実際にこういう体験をしてみて初めて気付くこの気持ち…。本当の意味での当事者の皆さんはずっとこんな感じかと思うと本当に心が痛むし残念な気持ちです。たまたま今回、鶯谷の方のダンスホールを批判するような形になりましたが、個別の事例じゃないよなと思いました。⑧
— 吉川有機(ダンスビュウ編集者) (@PairDanceLover) December 8, 2018
ですから、お店のほうには「どうしてダメなの?」というのは聞いてみるつもりですが、それは瑣末なことかも。でも回答を得られたら報告しますね。
うろ覚えですが、生物学的な男と女がいますが、それに加え好きになる人が男か女か、また男女どちらの服が着たいか。ざっと2×2×2で8通りの人に。⑨
— 吉川有機(ダンスビュウ編集者) (@PairDanceLover) December 8, 2018
さらに社交ダンス・ペアダンスでリーダーとフォロワーどちらをやりたいかが加わります。これで16通り。両方とか中間とかそれぞれの所で割合が違うでしょうから細かく分けたらそれこそ無限。それが自由ってことでしょう。社交ダンスをアップデートしたいという気持ちで書きました。これで終わります。
— 吉川有機(ダンスビュウ編集者) (@PairDanceLover) December 8, 2018
一方私は昔ながらのダンスホールという昭和の遺物をいわば偏愛していて、ダメなところは多々あれどその魅力を伝えていきたいとも思っているのです。
というわけで私が昔商業誌に連載していた「ダンスホール新世紀物語」を当時のレイアウトのままぜひ読んでください。#社交ダンス pic.twitter.com/6s4x2hH9sb— 吉川有機(ダンスビュウ編集者) (@PairDanceLover) December 17, 2018
このツイッターの中で述べられているように、
生物学的な男と女、好きになる人が男か女か、男女どちらの服が着たいか、
さらに社交ダンス・ペアダンスでリーダーとフォロワーどちらをやりたいかで16通りもの人が
いるはずなのに、古くからの考えにはめ込もうとするのはおかしいですよね…。
吉川有機さんは、自身のFacebookで、
以下のような投稿もしていました。
この投稿の中で、同性でのダンスペアを「セイムセックスペア」(Same sex pair)や、
「セイムジェンダーペア」(Same gender pair)
と呼び、正式に種目として存在している大会もあるとのことで、
少し安心しました。
一方で“タブー”を打ち破る動きも出てきているそうで、
男性ペアで社交ダンスに挑む漫画
「10DANCE(テンダンス)」が登場しました。
「かっこいい」「男性同士にしかできない表現がある」と評判で、
漫画の世界観を実現するイベント「リアル10DANCE舞踏会」も東京で開かれているそうです。
マンガ「10DANCE」
出典:楽天マガジン
リアル10DANCE舞踏会 vol 2.5
この「リアルDANCE10」では、試合観戦体験やダンサーによるトークコーナー、 男性ダンサー同士によるダンスショーに撮影会など、 楽しい催しが盛りだくさんのようで、私も行ってみたくなりました。
「ジェンダーに、LGBT」に対しての世間の考え方が寛容になってきた中で、
性差別とも言えるダンス界の古き慣習は、
改めるべき時に来ているのではないでしょうか。
社交ダンス 男性ペアはタブー!?実は超絶カッコ良かった!実際の同性ペアのダンスがすごい!
ここで、実際に同性のペアが踊っている動画を紹介します。
トレバー・コップ&ジェフ・フォックス ペア
「ジェンダーの役割の概念を崩す、新しい社交ダンス」
ヘルマン&ニコラス German&Nicolas ペア(双子男性タンゴダンサー)
男性同士のSwing
Barry Jones & JB Brodie(バリージョーンズ&JB・ブロディー)
これを見て、思いました。
「めちゃめちゃかっこ良い…!」
男性同士だからこそ可能な表現もあるだろうし、
ダイナミックな動きがとてもかっこいいと思いました。
とても素晴らしいです。
また、女性同士もありました。
https://www.facebook.com/BallroomDanceTube/videos/1115502945164963/?t=6
しなやかで、指先まで細やかな動きでとても素晴らしいです。
益々観に行ってみたくなりました…。
なお、LGBTのための総合競技大会『Gay Games』というものがあるそうです。
知らなかった世界ですが、どの方も活き活きされていて、
もっと世界にこうした活動が広まって、一般的になればいいなあと思いました。
社交ダンス 男性ペアはタブー!?実は超絶カッコ良かった!世間の反応
この内容について、ネット上では様々な反応がありました。
すごくこういうケースは多いです。最悪出禁になったりもあるようです。
俺にとって性別は表現や芸術において些細なものの認識だったので、すごく驚きます。それに実際それを言われると結構ショックです笑
俺が言われたのは「男同士は常識的におかしい」でした。常識とはなんなのでしょうね。不思議です— 頑張れ!って感じのまこと (@m_trickster44) December 8, 2018
いっそ男同士でなんかの大会の上位食い込めたら何か変わるのかなあとか思っちゃいます。
そういう形を気にする人って階級とかすごく気にするから…
でもその時にはまた別の言い訳作って禁止するのでしょうか…— 頑張れ!って感じのまこと (@m_trickster44) December 8, 2018
FF外から失礼します。個人的には男性同士のものすごいパワーあるエモーショナルなダンスすごい見たいです!と共に女性同士のダンスも見てみたいです〜。要するになんでも見てみたいです!
— コーギー大好きチュートリアル (@naokurooekaki) December 10, 2018
随分昔の社交ダンス雑誌のコラムで、少しナヨッとした男性ってだけで入場を断られるアメリカのダンスホールについて書かれていました。
兎に角少しでも今でいうLGBT的雰囲気があったら締め出されてたそうです。— 宮廷舞踏 社交界 次は2月以降です (@QuadrilleTuteur) December 10, 2018
改正されましたが、老舗のダンスホールということなら、昔の風営法の影響はないでしょうか。判断がつかないものは保守的にみるなど。
男性同士のダンスのステップ、映画などで観たときの迫力が素敵で、わたしなら近くで観られたらとてもうれしいです。残念ですね。
— Hahakigi / はるか (@Hahakigi1) December 11, 2018
お金を落としてくれるお客さん(ご婦人)からすると、踊る機会、権利を奪われる、強いては日常生活で妻の座を脅かす懸念に敏感なので、お店が許可しても、お客さんは許さないと思います。先生同士はさておきリアルなタチとウケの二人が公然と踊るのはハードル高い気がします。
— Tee Yokosawa (@PiattoYokosawa) December 8, 2018
これまでの風習や歴史的背景を鑑みて、当該のダンスホールの対応を仕方ないと
する見方もありましたが、
概ね、同性ペアのダンサーを受容し、賛成する声が多く聞かれました。
私も、近くでこういったダンス大会が開かれるのならば
ぜひ行ってみたいと思いましたし、自分でもやってみたいと思った次第です(爆)
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