ブラック企業通知アプリ、「ブラックアラート」が話題となっています。
これは、厚生労働省が出しているデータに基づき、
対象ブラック企業についてツイートしたり、周辺のブラック企業のプッシュ通知でお知らせしてくれる
機能のあるアプリです。
「ブラックアラート」という名前だけに、
ブラックなアイデアが秀逸だとダウンロード数を伸ばしているそうですよ。
この記事では、「ブラックアラート」開発の経緯や、開発者のこと、
世間の反応などについてまとめています。
それでは見ていきましょう。
ブラック企業通知アプリ「ブラックアラート」が秀逸!アンドロイドやiPhoneでのダウンロードは…内容
日本全国のブラック企業を地図上にマッピングした「ブラック企業マップ」というものがありました。
これは、厚生労働省が発表している「労働基準関係法令違反に係る公表事案」に掲載されている企業を、
ドクロのアイコンで地図上に表示したサイトのことです。
「ブラック企業マップ」サイトはこちら
ブラック企業とは?
厚生労働省のサイトによると、ブラック企業とは、
以下のような特徴を持つ会社のことのようです。
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、
一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、
② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、
③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。
引用:https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/zenpan/q4.html
昨年12月末頃に公開され、ネットでは「日本中ブラック企業だらけ」「これも氷山の一角だ」など
さまざまな声が噴出していましたが、そのアイデアに触発されてこの度アプリが開発されたというのです。
それが、「ブラックアラート」というアプリ。
1月13日頃リリースされたこのアプリは、瞬く間に話題を集め、ダウンロード数をぐんぐん伸ばしています。
開発者は「なるせ りょう」さん(27)。
開発のきっかけは、上で述べた、「ブラック企業マップ」。
なるせりょうさんは、とても面白いサービスだと思い、「自分にも作れる」と感じたそうです。
「そして、もしアプリ版を作ったら、位置情報システムも使えて、新たな試みもできる気がしたんです」
と、開発の経緯を語りました。
ですが、開発のきっかけとなった「ブラック企業マップの開発者には
まだコンタクトできていない」そうですよ。
そして、開発からリリースまでの速度に驚きました。
なるせりょうさんは、この様に語っています。
「企画してリリースまで1か月もかかりませんでした。
実際かかった日数も5日間くらいですよ。
あとはapp storeで販売するための審査期間ですね。
審査に出して2週間後、突然、午前2~3時くらいにアップルからメールがきて、
『ブラック企業はどうやって決めたの?』って英語で質問されました」
ネット辞書を引きながら「出典は厚生労働省が出しているデータです」と返事したそうです。
すると、すぐOKが出たそうですが、
「下品なアプリと判断されたのか、国内限定のリリースでしたが(笑)」と笑いました。
こうしてリリースされた「ブラックアラート」は、リリース直後から
ニュースメディアで取り上げられるなど話題になり、3日間で1万ダウンロードを記録しました。
本人も「これまで3つアプリを開発しましたが、最高記録です!」と喜んでいます。
なるせりょうさん経歴
初めは、新聞印刷業の会社に勤めていたそうですが、
その仕事に満足いかず、ITパスポートという資格を取り辞職。
次に勤めたのがSESと呼ばれる特定派遣の企業でした。
残業は増え、手取りもダウンしたそうですが、好きなことをしているため、
「ブラック企業に勤めている感覚はなかった」そうです。
「子供の頃からパソコンに触るのが好きだったこともあり、
朝10~23時勤務もある超ブラックな環境でも、キツいと思いませんでした。
手取りも16万円くらいでしたが、今のフリーランスとしての活動につながる下準備ができたと思っています」
と、普通に考えればブラックな環境も、糧と捉えて働いていたそうです。
そして半年後に独立を果たし、当初は「ランサーズ」「クラウドワークス」などのサイトを通じて、
サイトのデバックなど受託開発を行っていたそうです。
やがてJavaやPHP、Rubyなどのコードスキルも身につけ、自ら仕事を獲得し、取引先も広げていきました。
そういったクラウドソーシングサイトで出会った人に仕事を依頼されるなど、
フリーランス同士のつながりで仲良くなったお客さんもいるそうです。なんと月収は80万円とのこと!
最後に、なるせりょうさんはこの様に語りました。
「まだまだ開発の余地はあると思っていて、マッピングだけでなく、
自分のスマホからブラック企業を登録やコメントできるようにしたいです。
僕自身、知らなかった理由もあって、『なぜここがブラック企業なのか』を知ることをきっかけに、
1人でも多くの人が問題に関心を持ってもらえるようにしたいですね」
ブラック企業通知アプリ「ブラックアラート」が秀逸!アンドロイドやiPhoneでのダウンロードは…世間の反応
この内容について、ネット上では大きな反響が寄せられています。
「面白い企画だが、「情報源」に限界がある。記事によれば、厚労省の情報を元にしているということだが、これは、労基署が取り締まりを行った違法企業のうち、悪質なケースの企業名を公表した「労働基準関係法令違反に係る公表事案」であると思われる。「ブラック企業マップ」が参照しているのもこれだ。
だが、この公表では、多くのブラック企業が対象とされていない。残業代不払いや長時間労働では、ほとんど労基署によって送検されていないからだ。残業代の不払いや長時間労働が摘発されにくいのは、「証拠」が集めにくいからだ。また、経営者が「タイムカードはあるけど、その通りに本当に働いていたとは思えない」などなかなか「故意」を認めない場合も多い。 こうなると監督官の捜査は行き詰まってしまい、送検を諦めてしまうケースが少なくない。ある現役監督官は「上手に言い訳する企業ほど、書類送検しにくいんです」と苦言を呈していたほどである。」
「ブラックの概念は人それぞれあいまいだが、【「労働基準関係法令違反に係る公表事案」に掲載されている企業】を対象にするというのはある程度客観的な評価と思う。
ただ、改善してブラックでなくなった企業が掲載されたままだと名誉棄損の事案になる恐れもある。」
「情報の精度や、鮮度が課題になりそう。
例えば、10年前の約1年間で当該企業の社員から1000件の情報が寄せられ、直近1年で同様に1000件以上の情報が寄せられている様な場合であれば、その中で「ブラック企業」としている人の比率の推移を見ることによって、かなり精度の高い情報源になると思う。けれど、実際は、よほど社員の出入りが多い企業でなければそういった数は集まらないんじゃないかな。
また、限られた人によるネガティブ情報ばかり目に入って、何かしらの課題とは別にその会社が持っている「ポテンシャル」に気づけなくなる可能性もあるし、労働者側からしてみてば、あくまで「参考情報」くらいに考えておく事がよさそう。
逆に、企業の経営側はしっかり見たほうがいい。いちいちこれで右往左往する必要はないけど、社内の改善点のヒントを見つけられよう。」
「こういうアプリなどが反響を呼んで、ブラック企業が減少するなら良いと思う。
とは言え、この不況の中で大企業以外は何処でも「大なり小なり」のブラックはあるとは思う。
ブラック企業「だけ」じゃなくて、ホワイト企業やグレー?企業とかも表示してくれたら尚良しです。
以前にお国からブラック企業として認定?されてしまった情報を元に表示してるのだろうから、どちらかと言えば実際に働いてる人が一番肌身に染みて知ってる訳で、現場の評価を反映出来る様にするのもアリじゃない?
ブラックの履歴はあるけど、現在はホワイトとかグレーとか。
ブラック、ホワイト、グレーの各パラメーターで、ザックリだけど全体的な信憑性は高い。
魔女狩りみたく「ブラック!ブラック!!」だと、みんなブラックになっちゃうと思うんだけど。
働き手さんも評価出来る方がリアルだけどなぁ。
※色々な人もいるから完全ホワイトは無いにしても」
「社員がブラック事案を告発し、拡散できるようなアプリにしてほしい。厚労省に発表されている会社なんて1%にも満たないはず。ホワイト企業とされる会社でも内情は社内で大きな格差があることがほとんど。例えば総務はノー残業100%有休消化、営業は月100時間残業、育休不可、家買ったら単身赴任等。
会社って入ってみないと分からない。雇われる側からどんどん発信して雇う側の力を弱くしないと生活はよくならない」
「自分が前に勤めていたブラック企業も載せて欲しい。
厚労省公認・非公認とか差別化しても良いから、ユーザーから申請する機能が欲しい。
ライバル企業とかからの悪質な利用が有りそうなので実質的には難しいんでしょうが…。」
「ホワイト企業版があればいいのに。表彰受けたり、いろんな認定を受けている企業はたくさんある。そういった企業が回りにあることを知らない連中が、ブラックしかないとか言ってる。
ここがブラックより、ここがホワイトの方が、求職者には有り難いし、経営者にもプレッシャーになるね。」
「わざわざ検索してこの会社ブラックや!と思ってどうしたいの?
ブラックをホワイトにする取り組みを中に入ってでもしてるなら素晴らしい人って思うけど、アイツ悪い奴なんですよーと指差しているのと変わらないような。
指差して収益を上げてるなら言葉の意味は違えどそのほうがブラックかも。ブラック企業がいなければ成り立たないわけですし。ブラックと言われている会社の中でも、やりがいや使命感もって働いている人もいるだろうし、その人たちに失礼だし。
皆がブラックと思っていれば転職するし会社は存続できないし。このアプリで何が変わるんだろう。
悪者探ししてブラックをより濃いブラックに仕立てようとするだけのツールなような。」
「一応、ダウンロードしてはみた
特に関係ないので数日で消してしまうと思う
「ふーーん、で? だから?」と思っただけだった
就職・転職を控えている人には良い情報だとは思う」
「厚生労働省は労働基準法違反とは言っていても、ブラック企業として認定はしていない。
ブラック企業と言われる企業の存在は許されるべきではないが、このアプリは一歩間違えると誹謗中傷の温床となる。
この記事のように、もてはやすべきではない。」
「面白いアプリですね。
厚労省のデータだけでなく、通報や労組との関係、年末のブラック企業大賞も取り入れて欲しいですね。
うつ病発症の多い企業も公表されたら更に有難いですが」#ヤフーコメントより
こういったコメントを見ると、賛否両論といった感じですね。
確かに、改善されている会社が掲載されているままだったりすると、
名誉毀損モノになりそうですし。
口コミでどんどん増やせる機能が付けば、ますます面白いアプリになりそうです。
まあ、そんなことをしたら、ブラック企業の数が
いま出ている分の数十倍になると予想しますが…。笑
ブラック企業通知アプリ「ブラックアラート」が秀逸!アンドロイドやiPhoneでのダウンロードは…アプリ取得方法
さて、そんな「ブラックアラート」ですが、
ダウンロードは、グーグルプレイストアやApp Storeでできます。
Google Play Store
App Store
ブラックアラートの口コミ評価
ブラックアラートの口コミ・評価を見てみますと、
「事実に基づいた素晴らしいアプリ
労働法全般に違反疑いありの企業もユーザーが追加できるようにしてほしい!」
「今、表示されているのは一部。 利用者が、こんなブラック企業があるよと申請システムがあると、もっと人気がでる。 ちなみに私が働いていた残業代0円のケーキ屋さんがないのでぜひ申請したい。」
「Yahoo!ニューズで制作者の記事を読みましたが厚生労働相が発表している企業だけなので実際よりも少なくて当然です。ただ申請システムがあればより効果的になるでしょうね。」
「自分が働いてるところの田舎はブラックなのにマップに載ってない。」
「面白いとは、思うが面接就職するわけでは無いので、余り必要がない。仮にブラックにて働いて居る方は、残念です。」
など、レビューが続々と寄せられていました。
興味をもった方は、一度ダウンロードしてみてはいかがでしょうか?
コメント