【2019芥川賞・直木賞】受賞者記者会見で喜びのコメント!動画あり

テレビ

芥川賞を受賞した上田岳弘さんと町屋良平さん、
直木賞に選ばれた真藤順丈さんが揃って記者会見を開きました。

3人は、それぞれ受賞した喜びや現在の心境を語っています。

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受賞記者会見の動画(ノーカット版)

 

 

「1R(ラウンド)1分34秒」を書いた、町屋良平さん〈芥川賞〉

町屋良平さんは、

「体と対話しながら生きていくことを主として考えていますので、
しっかり書けたなという思いがありました。」

と話し、

受賞の連絡が来たときについて、

「受賞したなという感じです。ただ、緊張しているので
訳がわからないというのが正直なところです」と胸の内を語りました。

作品のテーマになっているボクシングについては、
「ボクシングと小説は毎日積み重ねていく点で近しいものがあると
感じています。自分は小説を書くことと、
ボクシングを通して体と対話することを主としていますが、

小説に込めた思いを文章に載せることができ、
しっかり書けたという思いはあります」と話していました。

また、受賞による心境の変化については、

「まだプロの小説家じゃないという感覚からプロとして書いているという
実感への変化はある日突然ありました。
それと同じように、受賞したことの実感や覚悟もまた遅れて
やってくるのではないかと思います」と話していました。

さらに、受賞の喜びをボクシング用語に例えるとどうかと問われると、

「TKO(=テクニカルノックアウト)です。
がむしゃらに書いていたら終わっていました」と答えていました。

 

「ニムロッド」を書いた上田岳弘さん〈芥川賞〉

上田岳弘さんは、

「受賞したな、受賞だ。と思って、はい。」と照れ笑いをしました。

そして、

「面白いかどうかわかんないけど、”こういうの書いてみました”

っていうことを続けていくことが大事なんだなって気はしました。」

と話していました。

受賞の連絡を待つ間は、歌舞伎を観ていたということです。

また、選考委員から「大きな世界観と日常をつなげる手際のよさが
受賞につながった」と評価されたことについて、

「私の作品では同じモチーフが違う作品で出てきて、
また同じかと言われることもあるが、前の作品で出した表現を
次に書いたらどうなるだろうと試行錯誤しながら書いているので、
それが手際のよさにつながったのでは」と自己分析していました。

さらに、小説を書くことの意味について聞かれると、

「小説に限らず芸術全般でも、これは意味があるのかということを
続けていくことによって、人間であることが担保されていくと思う。

だめな飛行機のように、価値があるかどうかわからないものを
積み重ねていくことが人間存在の根本になり、
おもしろいかどうか分からないことを続けていくことに価値があると
思います」と作品に絡めて語っていました。

 

「宝島」を書いた真藤順丈さん〈直木賞〉

「ニュースとか、ルポルタージュとかでは伝わりきらないもの」

「直木賞を受賞すればその(読んでもらえる)機会が増えると思いました。」

「ずっと長いドラムロールを聞かされているような感じがしていて、
今日は特にそれが大きかったんですが、
受賞を聞いてとにかくほっとしました」と喜びの心境を吐露していました。

沖縄の戦後史を題材にしたことについては、

「センシティブすぎてやめておこうかなと腫れ物に触るように扱うのは
潜在的な差別になっているのではと思い、
ニュースで伝わらない部分を心に響かせられる小説を見いだしたいと
思った」と語りました。

一方で、明るく語りを描いたことについては、

「神様でもなく人間でもなく、土地が語っているようなイメージで
書くことで、途中でちゃちゃを入れたり、合いの手を入れるような形になり、
そうした明るさが書いていくうえで自分自身も救われた部分があった」

と話していました。

そのうえで、

「沖縄の人間ではない僕が書くことに葛藤もあり、自問自答に至って
書けなくなった時期もあった。作品をきっかけに沖縄の問題を考えることの
一助になればいいと思っているし、沖縄の人から見てこれは違うということ
があれば議論の矢面に立っていきたい」

と熱を込めて語っていました。

 

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